MAGURA DURIN RACE


プロ視点でのインプレッション
ダブルアーチが最大の特徴でもあるマグラのサスペンション。日本ではイマイチ馴染みが薄い感じがあるもののヨーロッパではブレーキはシマノでサスペンションはマグラといったセレクトが普通にされているほど認知度も高くレーサーからの支持も厚い。ダブルアーチの効果としては見た目から想像するものと同じく剛性を狙ったもので、強力なストッピングパワーを誇るマグラのブレーキとの組み合わせを第一に考え作られた。ディスクブレーキではハブ付近とヘッドの下側の2点に応力が掛り、フォークが前方方向にしなった際にアウターチューブとインナーチューブの境の部分にしなりの逃げが行く。このしなりをいかに少なくするかが剛性の要。剛性の低いフォークではしなってしまい、アウターチューブとインナーチューブの境の部分が引っ掛かってしまい全く動かないなんて事がある、また一度沈んだインナーチューブがしなってしまって戻ってこない事も多々ある。こういう状態になってしまうようではどんなに軽量で耐久性が高かろうともレースでは使えない。ブレーキング時以外にも路面の凹凸が大きい場合はフォークが前後方向にしなる、ダブルアーチにしたマグラではこのしなりが非常に少なく、体重が重く下りを攻めるライダーにもサスペンションに狙った動きが反映されるので意図しないミスが減る。動き自体もスムーズ、入力開始から100㎜を使い切る最後まで同じスムーズな動きのまま入っていく、これが途中で引っ掛かるような動きをしてしまうとタイヤが一瞬滑ったり、狙ったラインから外れたりしてしまうが後半にジワっと粘るデュリンレースの場合、滑ったとしてもその滑り方が一気にではなくジリジリと滑っていく。これは剛性と動きのスムーズさがあるからこそ。日本では長らくロックショックス、フォックスが人気のサスペンションとして君臨してきた、ではマグラと比べてどうなのか?フレーム、ホイール、パーツと年々高剛性化されてきたが、フォークに至っては数年前から大きく変わってきていないというのが感じるところ、その中にあってマグラのフォークはバイクと一体感にさせる事を非常に重要視しているように思う、どんな場面でもライダーの意図した動きをする事を第一に。かといって重量は100㎜ストロークで1439gとライバルに負けないスペック、ロックアウトにテーパーステアと揃い、更に軽量なデュリンSLは1370gだ。
 
 

小笠原崇裕