SRAM RED Front Derailleur

どんな製品?
米国に本拠地を置くSRAM社のロード用フラッグシップコンポーネントRED。フロントディレーラーの特徴は、構造自体はコンベンショナルなもので特筆すべき点は無いが、素材へのこだわりと言う点では、REDそのもの。ジュラルミン製のマウントに、フルチタンのディレーラーケージ。直付けタイプの重量は58g。ちなみに7900DURA-ACEは67g。

ジャーナリスト視点でのインプレッション
変速性能云々について言い出すと、REDのフロントディレーラーについてはもう少し頑張れると思う。落第か及第かというとギリギリ及第。何故か。DURA-ACEのクランクセット&FDの組み合わせだと、リアがトップ側2枚目や3枚目ぐらいに入っていて、フロントをアウターに上げる。と言う時も、モリモリっとトルクを掛けたまま踏んで行ってもゴリゴリ感は一切なしにバスッと入って行くのに対して、REDはそうはいかない。一昔前のDURA-ACE、7700時代か7600時代の如く、一瞬トルクを調整してやらないとスムーズに入って行かない事がある。スムーズに入って行かないと言う事は、チェーンにネジレ負担が掛かって来る訳で、チェーン切れの心配もあり得る。というか実際プロツアーのレースで純正チェーンが切れたりする事があるのはその辺に原因があると思われる。トルクをガシッと掛けて変速して行った時は、単体では気にならないがDURA-ACEやステンレスケージのForceと比べるとチタンケージの剛性の少なさも少し気になる。一方でダウンシフトに関しては何の問題も無いし、調整さえしていればチェーントラブルも皆無。
一方で、本気でレースを勝ちに行く選手なら、もちろんそんな事は解っていて、解っていてもダブルタップレバーが使いたいしREDがカッコいいから使うのである。ホビーライダーとして見た時は、上記の問題は気にならない。別に、アタックを追う必要も無くアウターに上げる時はトルクを調整すれば良いからだ。というか、長年乗っている人ならそれは体が覚えているので全然問題ない。シマノだってバスッと入るからと言って、トルクをフルに掛けっぱなしで変速するのがチェーンに優しい訳が無い。そんな訳で、REDのフロントディレーラーは、自転車変速機のマニュアル(MT)。DURA-ACEはオートマ。売れるのは当然オートマだが、MTもまた楽しい。
実は固定ボルト類にもチタンが採用されていて、非常にマニアックな造りのRED。ボディ部分やリンクのジュラルミンの複雑な形状と仕上げの美しさはもう芸術品の域。ちなみに、プロツアーの選手の多くは、REDを使っていても、フロントディレーラーに関してはスペシャル仕様のステンレスケージ仕様を使っている。重量が軽量であることは、UCI規定からして現状では意味が無いので性能を取っている。と言う事だ。それでも、市販仕様にはチタンケージを採用している辺りが、SRAMの意思を代弁している。REDはマニアの為の製品である。
MY11へのマイナーチェンジで、ブラック仕様が追加された。上の写真はREDブラック仕様。

写真は、アルベルトコンタドールのバイク。フロントディレーラーケージの色が違うのがお解り頂けるだろうか?別府選手のバイクもステンレスケージだった。ちなみに、トップ選手でも気にしないのかチタンケージを使っているライダーも居る。

 
 

Kenji Nanba