マグラ マルタSL マグネシウム


どんな製品?
ドイツの油圧ブレーキ定番ブランド、マグラ。そのXC用カタログラインナップの最上級モデルがマルタSL マグネシウム。北京オリンピックでもサビーネ・スピッツがこのモデルを使用して金メダルを獲得している。対向2ピストン、アルミ鍛造キャリパーにチタンパーツを採用して公称315gを実現。

プロ視点でのインプレッション
とにかく効く。こう言われ続けて10年以上が経つマグラの油圧ディスクブレーキ。各社が油圧ディスクの分野に参入し試行錯誤を繰り返しす中、マグラだけは一貫してレバータッチや効きの特性を変更せずに作り続けてきた。マルタSLで超軽量と効きと耐久性の全てを成し遂げ、これ以上のスペックはあるのか?とライダーが深く考えずにマルタSLを選択するまでに至った。
しかしマグラは軽量化を狙い素材にマグネシウムを使うことで効きや剛性をそのままに更に軽量なマルタSLマグネシウムを出してきた。レバータッチや効きの特性はそのままで軽量化の達成、他社にも超軽量を謳うモデルがあるが、効きと耐久性を考えると同じ土俵にすら立っていないと思えるほどマルタSLマグネシウムがズバ抜けてる。ではその効きとはどんなものかというと、サドルにしっかりと座った状態でアスファルトの上にてブレーキレバーに指一本を軽く引っ掛けるだけで簡単に後輪がロックしてしまう程。
マグラが昔から守っている特性はブレーキパッドがローターに当たった瞬間からガツンと効くというもの、この当たり初めの効きが弱く握り込めば込むほど効いていく特性のブレーキも多く存在するが、レースで速く走るという事においては最初からガツンと効かなくてはいけない、シマノがM980のディスクブレーキでマグラの特性をコピーしてきたような効きを見せてきたがこれを10年以上前から一貫して守ってきているマグラの企業理念は、「レースで勝てる物作り」だろうか。ブレーキが思いのままに効かなければどんなに上手く優秀なライダーであっても本気で走る事はできない、すぐにエアを噛んでしまったりピストンの動きが鈍るようなものではタイムを狙う以前の問題だ。
私は春に新品を使い始め翌年の春まではノーメンテナンスで使用する。パッドの交換はあるもののエア抜きやオイル交換といった作業はしない、というか必要が無い。富士見パノラマのAコースをXCバイクで下るとブレーキを握り込んでいる時間が長くフェードしてしまう事もあるが、エアを噛まないのは本当に凄い事だ。並みのブレーキなら下っている途中でエアが噛みスカスカになってしまう事もある。ブレーキに求めるのは効きと耐久性、そこに軽量さが高次元で織り込まれているマルタSLマグネシウムはやはり今の時代でも一番に選ばれるディスクブレーキだ。
 
 

小笠原崇裕