SRAM XX DiscBrake


どんな製品?
Shimano XTRの対抗馬SRAM XXの油圧ディスクブレーキ。システム重量は288g(XX World Cupは274g)で、現存の油圧ディスクブレーキ中で最軽量の部類。マスターシリンダーは鍛造マグネシウム、レバーはカーボン、スモールパーツにチタンを採用して、更にキャリパーは2ピースアルミ鍛造、ローターにはアルミスパイダー、パッドのバックプレートまでアルミ化してこの重量を実現している。

Hayes、Magura、Shimanoとラジアルマスターシリンダーが流行る中で一人、従来型のマスターシリンダー設計を採用して来たが、現行XTR以降のShimanoがこの形式を採用したのでむしろこちらがスタンダードになってしまったと言う経緯を持つ。

ジャーナリスト視点でのインプレッション
単刀直入に、このブレーキは好きですか?と聞かれると「ごめんなさい」としか返答出来ない。これはもう個人的な好き嫌いの話なのだが、どうしても960XTRの様なレバーを強く握るとマスターシリンダー全体が、「グニャ、グニャ」としなる感触が戴けない。レバータッチと言うのは、やっぱりブレーキの要であるので如何に軽量化の為とはいえココの感触に妥協している点は賛成しかねるとしか言いようが無い。

重量は確かに軽いし、ローターの作りなんかも現存ラインナップ中では、HOPEと肩を並べるぐらいに凝っていてカッコいい。レバーを引き始めた最初の動きはAVID(SRAM XXのブレーキは傘下のAVID製)らしく軽く、パッドが当たった瞬間もコントロールし易い。が、強く握るとグニャ。SRAMに言わせると、強く握り込んだ時のモジュレーションを大事にしたとか、力を入れなくても効くように高めのレバー比だとか色々と意見はあるのだろうが、個人的には強く握り込んだ時のモジュレーションは自分でなんとかするのでもう少し固めのタッチとシリンダー剛性でお願いしたい。

マスターシリンダーの付け根を回転させる事でパッドのコンタクト位置を調整出来るが、左右でちょうど良い位置を合わせるとエア抜き用のボルトが上を向いたりするのは精神衛生上良くない。

制動性能はどうかと聞かれると、XCやトレイルライドなら必要十分以上。デザインは良いし、超軽量。速く、そしてカッコ良く走る為のブレーキとして考えると、世界最高レベルのブレーキの一つだ。それだけで十分ではないかと言われそうだが、一番大事な自分との感性の点でマッチしていない。アメリカ系のブランドでは変速にSHIMANOを装備しているのにわざわざブレーキだけXXやX.0で発売しているモデルも見受けられる。敢えて選ぶと言う事はアメリカ人にはこのフィーリングが合っているのだろうか?ちなみに、現行型のHAYES StrokerシリーズもXC系はSRAMまでではないがマスターシリンダーの剛性が柔らかめである。

メンテナンスはパッドが上から抜けたり、AVIDらしくエア抜きが簡単で、その点では優れている。オイルはDOT5.1だ。
 
 

report: Kenji Nanba
photo: The Bike Journal
date:2011.11.18