Garmin Forerunner 610

どんな製品?
Garminお得意の腕時計型GPSコンピューターの最新モデル。タッチパネルセンサーを採用したオペレーションが可能で、フルベゼルの液晶モニターで大量の情報をコントロール出来る。
サイクルコンピューターとしての機能は通常のフルスペックのサイクルコンピューター並みで、GPSセンサーを用いて一秒間に6回程度のアップデートでリニアなスピードを表示出来る。精度も必要十分以上で100km走って、ロードレースコースのオフィシャル距離表示との誤差は1km未満(実測値)。

別売りのANT+規格のセンサーを用いる事でケイデンスやGPSをオフにしてのマグネット式スピードセンサー、ハートレートなどを計測出来る。一方で、EDGE800などが対応しているANT+規格のパワーセンサーからのデータ受信には対応していない。(2011年11月20日現在)


ジャーナリスト視点でのインプレッション
サイクルコンピューターとして見た時のForerunner610はどうか。Garminが一番最初のサイクルコンピューターであるForerunner100,300シリーズを2003年だったかのシーオッタークラシックで発表して以来のヘビーユーザーであるが、610は史上最も電池がもたない。

ハートレートモニターのみを装着した状態での日中、GPSが測位しやすい状態での実測値で僅か4時間20分しかもたない。ANT+は消費電力の少ない規格なのでハートレートモニターの消費電力などたかが知れており、ハートレート無しでも4時間30分前後。要するに自転車で使用すると半日のライディングですら電池が途中で切れてしまうという始末であり、マトモなレースはおろかサイクリングにすら使用出来ない。

ちなみに公称のバッテリーライフは8時間。何をどうやったら8時間持つのか教えて欲しい。この端末をアメリカで使用した事は無いが、ひょっとするとアメリカだとGPSの電波が強かったりして電池が持つと言う事なんかがあるのかもしれない。ちなみに先代のForerunner405も公称値は同じ8時間であったが、こちらは少なくとももう少しバッテリーがもった。

表示能力自体は液晶画面が大きくなっているので、405に比べるとパワーアップしているが、タッチコントロールの操作性は、こちらも正直言ってバイクでの走行中に触るのであれば405の静電ベゼルタッチ方式の方が使い易かった。610のタッチパネルは汗をかいた手で触ると反応しない事が多々ある。Garminではこの製品をRUNNING用と位置づけているので、ランで4時間を上回る時間のトレーニングを日常的に行う人は稀だし、バイクと違ってスピードの遅いランではこのロジックの方が操作し易いとはGARMINの名誉の為に言っておきたい。

ちなみに、IPX7相当の日常生活防水が付いているが、確かに手洗い程度の水では故障しない。絶対故障しないという保証は出来ないが、少なくともユーザーを複数人知っているが壊れたという話は聞かない。一方で水泳で使うと壊れたという話は聞いた。

ANT+スティックとのリンクは簡単で、Garmin Connectと組み合わせて毎日のライディングやランニングを簡単に記録して、位置、距離、標高差、スピード、ケイデンス、ハートレートをズラリと並べて分析出来るのは選手でなくとも嬉しいし、使っていて楽しい。オンラインサービスとの融合ではGarminは上手い。

腕時計型のGPSウォッチの魅力はなんと言っても複数台のバイクを所有していても付け替える必要がない事だが、少なくとも610は電池寿命が短すぎるので平日は610(平日に120km、要するに4時間以上乗るというユーザーはそんなに多くないと思われる)、週末はEDGE800と言う組み合わせが必要になってくるが、2台を組み合わせて使う事を必ず考えねばならないと言うのは、そもそもからして腕時計型GPS本来の存在意義から逸脱している。

と思っていたら公称20時間の作動時間を実現したForerunnner 910XTというモデルがシレッと発表された。バッテリーライフが長くなるのだから重くなりそうなモノだがForerunner610と変わらず72g。おまけに50m防水でスイミングメトリックス解析付きだそうだ。未来的なデザインも、カーナビ機能は要りませんよというサイクリストやトライアスリートは、恐らくこちらを待って買うべきであろう。恐るべしGarmin商売。
 
 

report: Kenji Nanba
photo: Kenji Nanba
date:11.11.20