2010年のツール・ド・フランス中のドーピング疑惑に関する「ドーピングがあったと確定出来る証拠は見つからなかったものの、UCIによる2年間のライセンス停止と制裁金、期間中のレース結果の剥奪を支持する」としたCAS(スポーツ調停裁判所)のジャッジを受けて、アルベルト・コンタドールが、チームサクソバンク監督のビャルヌ・リースと共にスペインで記者会見を本日行った。
コンタドールの声明は下記の通りである。
「現時点での私の気持ちは表現出来ない程の失望感であふれており、とても複雑な心境だ。18ヶ月前にこの事件が始まって以来、このようになってしまった理由を考えない朝はない。このような状況は、厳しく、苦難の時であるため誰にとっても望まれるものではない。
この出来事に苦しむ妻、そして子供をみる事は堪え難く、同時に私の価値観、正義への考え方、そして誠実さへの挑戦である。
私はこの裁定にはまったく同意出来ないだけでなく、この事による制裁についてものみこむ事が出来ない。これまでの間、私の無実を証明するために出来る限りの事をして来た。ポリグラフ検査の結果すら提出した。ジロの2日前に5時間掛けて刑事捜査のような質問にすら答えていた。スイスのスポーツ調停裁判所では、陪審に対して私の無実を証明する為に他に何が必要なのかを聞いたし、私に出来る事はそれ以上なかった。
私は報告書を読んだ全員が私がドーピングしていない事は明らかだと認識してくれた事に対して満足している。検出された薬物が私のパフォーマンスを向上させるのに必要な量を遥かに下回っていたし、故意ではない汚染されたサプリメントの摂取によるとされ、私の故意や過失ではないとされている点だ。
それでも、私は2年間のライセンス停止と制裁金、そして多くの勝利を失う結果となっている。
仮に最初の2つはあり得たとしても、なぜ、勝利を奪われる必要があるのか?私は自分の記録に数字を足して行きたいと考えた事はなく、単に競技を楽しみたいだけで、人々に良い記憶を残し、仕事をやり遂げたいだけだ。奪われたレースの記録上の勝者は私ではないかもしれない、しかし人々はそのレースを楽しみ、人々こそが、誰がそのレースの勝者であったかを決められるのだ。
もう一つ言いたいのは、私は自転車レースを引退しないし、今までがそうであったようにこれからもクリーンなマナーに則って練習を続ける。今、私の精神はベストな状態ではないが、この事が未来の私を強くしてくれる事を知っている。
多くの人から寄せられた信じられないサポートには本当に感謝している。これは本当に大事な事で、トレーニングの多くの日は家に帰りたいと思うが、皆のサポートのお陰で走り続けられ戦う事が出来るからだ。
また、すべては真実に基づき、自信を持って私を信じてくれる事で、チームとスポンサーがしてくれたこれまでのサポートとこれからのサポート継続に感謝する。私はこれからのすべてのレースで100%出来る限りの事をするだろう。」
監督のビャルヌ・リースはこの記者会見で、自身がオーナーを勤めるリースサイクリングとしてのコンタドールへのサポートを継続する事を発表した。
コンタドールの出場停止は、今年の8月5日までの為、理論上、ブエルタへの出走は可能だが、いつどのタイミングでコンタドールがレースを再開するのかはこの場では発表されなかった。会見スタート前及び終了時は、スペイン記者からの拍手が送られたという。
 
 

report:Kenji Nanba
photo:team SAXOBANK / Tim de Waele ©tdwsport.com
date:2011.2.6