難波賢二が語るLEXUS F SPORTの印象

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走り自体は、単刀直入に言うと、F SPORTの名前から想像していたパキッとしたピュアレーサーではなく、グランフォンド系の乗り味だ。CANNONDALEの旧型シナプス系というのが良いだろうか?試乗時間の関係から大半を小笠原氏に乗ってもらうため、自分では2,3km程乗っていないが、その感覚では、漕ぎ出しはそこそこ軽くて、巡行の振動極めて良く、ヘッド周りはちょっと剛性がもう少し欲しいかなと感じた。

フルパワーで乗った印象や細かい所のハンドリングについては距離を走った小笠原氏に評価を譲りたい。走りの総印象としては、乗る前に想像していたモノよりは遥かに良い。正直言って、読者の大半の方が想像していたであろう、どうしようもない性能の100万円の自転車というのを乗る前は冒頭にも書いた通り自分も想像していた。F SPORTではなくて、LEXUS ROADBIKE Version.Lの方がシックリ来る走りである。

じゃあ自分で買うのか?と言われると買わないけど、知り合いの全く自転車に乗っていないLFAに乗ってるセレブオジさんが、「いやー、あれ気に入っちゃって。どうしようかなと悩んでるんだけどどう思う?」と聞かれたら、走りについては普通にお勧めは出来ますよと答えられる。そんな知り合い居ないけど。

要するに、上記の話があって我々自転車マニアを「アッ」と言われるバイクにはなっているんだけど、「アッ」と言わせるコダワリのポイントが、超高級自転車が超高級自動車の常識から乖離している部分をクルマ側の常識に仕上げたという話である。最終的なターゲットは、自転車マニアじゃなくて、LFAのオーナーが普段乗りにIS買うついでに買っちゃう。みたいな所なので考え方のアプローチとしてはやはり間違ってはいない。勿論、自転車一筋のサイクリストには違和感があるだろうが、餅は餅屋を最初から解った上でのLEXUS的な最初のアプローチがこれであったのだ。

問題は、こうして出来上がった100台は新型LEXUS ISの発表と共に日本に60台程、世界各国に40台程が旅立って行ったが、展示車を除いて、既にほぼ数台を残すのみ。ということである。外様が市販1台目として初めた100台限定の100万円のバイクが既にほぼ売り切れている。と言うのは、自転車側から見ると「LEXUSスゲェ。」の一言に尽きる。

売り切ったのなら、次のモデルもあるんですか?と聞いたら渡邉さんは、「まだ、なにも言えません。」とニヤリと笑っていた。どうやら期待して良さそうである。

個人的な希望を最後に書くと、超絶な軽量化はLEXUS的安全基準では無理だろうし、UCIレースには出ない人がターゲットなのだから、2作目は昔TREKが作ったY-FOILのようなUCIルール無視のスーパーエアロロードバイクをLFAの空力エンジニアが監修してホイールとセットで出して欲しい。もちろんフレームはLFA工房内製のプリプレグ方式とスターゲイトシステムの両方をつかって。それなら私も今から予約してでも買いたい。
 
 

Vol.5に続く

report:Kenji Nanba
photo:The Bike Journal, Kenji Nanba
date:13.6.16