MAVIC COSMIC CARBON ULTIMATE

COSMIC CARBON ULTIMATEとは何か。それは一言で言うなら、Light Weight社ホイールに対する現存唯一の対抗馬だ。ハイプロファイルのフルカーボンチューブラーリムに、フルカーボンスポーク、そしてフルカーボンハブボディ(リアはアルミボディ)を組み合わせた超軽量なオールラウンドホイールである事がその理由。世界には、勿論他にも同じカテゴリーで戦えるホイールが存在しているが、神話とも言えるブランドとホイールを事業の主軸に置いたメーカーという意味まで含めて唯一の対抗馬と言える。

その上で、COSMICの構造をよくよく見てみると、カテゴリーや素材こそLightWeightと同じと言えども、テクノロジーの使い方では完全に独自の理論で設計されている事が読み取れる。最大の特徴がリム構造。通常のカーボンエアロホイールのエアロ部分は、あくまで空力の為のカウル、もしくはリムをサポートする部品に過ぎないが、COSMICのリムは、このエアロ部分が手で触って解る程にリムになっている。つまり本気で潰そうとしても潰れない程に固い。

また、一見するとスポーク本数はフロント20本だが、実はこのスポークはハブフランジの裏側で繋がっており1本の長いカーボンスポークがリムからハブを通り抜けてリムに接続されている。UCI的な計算方法だと20本だが、実質には10本のスポークしか使われていない。

これらが一体成形されている事が、前後で公称1185gの重量を実現した秘密だ。フロントホイールは一体成形の為振れ取りは不可能だが、リアのノンドライブ側はニップルが装備され微調整の可能な構造となっている。完全一体構造のLight Weightとの差はここにある。

走り出すと、もうこのホイールの特徴はロードバイクに初めて乗ったユーザーでも語れる程に特徴的だ。剛性感の固まり。スポークとリムの存在を感じさせない剛性感と言えば良いのであろうか?一枚の板を踏んでいるような感覚。故に、踏み出しからスプリントスピードまで、踏めば踏む程どこからでも貯め無しに加速して行く。一見40mmのリムハイトで中途半端なエアロホイールに見えるがそれは誤りであると乗れば解る。エアロリムと大径フランジを組み合わせてスポーク部分を短く仕上げた究極剛性構造の結果エアロホイールになったと言った方が正しい。とすると、乗り心地や安定性に問題があるのではないかと思われるかもしれないが、そこはカーボン+チューブラーである。構造体としての剛性があるため30km程度の巡航では、若干ゴツゴツとした衝撃を伝えてくるが角の取れた振動。一方でハイスピード域や大きな衝撃では、カーボンスポークが間違いなく効いている強力粉の団子を潰したような乗り心地と安定性で操安性に不安は微塵もない。ハンドリングは前述の剛性感と、軽量さなのでリニアの一言に尽きる。ヒルクライム性能は、アルチメイトの名前の通り、究極のヒルクライムホイールの域である。MAVICのお家芸と言えるブレーキ性能は、アルミリムではないので発揮されないが、カーボンリムとして考えると合格点と言える。またブレーキタッチの感触は秀逸。

故に、このホイールの用途としてポタリングを挙げる人はまず居ないだろうが、実際ポタリングには向かない。レースや本気のライディング用のホイールであるが、そういった用途で使うのであれば、あらゆる条件に対応出来るホイールと言える。
 
 

Kenji Nanba