Cannondale F-Si特集 Vol.5「Cannondale F-Siを試す」
 
Albstadt14_Cannondale F-Si Launch_Action_by ADL-1432
 
オフセンタードライブトレイン、Lefty 2.0のジオメトリー革新は良く解ったが、乗ると実際どうなのか。新しいF-Siの走りを一言で表すなら、ホイール径を意識させないに尽きるだろう。

今までに発売されてきたハードテイルの29erは、メジャーブランドのフラッグシップに限って言えばほとんど全部のバイクを試乗してきたが、どれも、29っぽい、29にしては。の前置きを置いて初めて、ハンドリング領域で文句なし褒められるバイクであったがF-Siは違う。もちろん、今までのメジャーブランドのバイク達、Flash 29erも含めてご存じの通り速さで言えば29erなので速い訳だけど、扱って楽しいかと言えば「29にしては楽しい…」とか、掛かりが良いかと言っても「29の割にはショートチェーンステーなので…」という前置きが必要になってきた。
 
Albstadt14_Cannondale F-Si Launch_Action_by ADL-0139
 
ところがF-Siは、3時間ほどドイツ・アルブシュタッドの山の中を走って血糖値が下がってきた辺りで「あれ?このバイクってよく考えたら29なんだっけ?27.5じゃない?あれ?」と思い初めてしまう程に26インチ党の筆者にもしっくり来るのが最大の特徴だ。

重量については、先代のFlashのチームモデルとフォークを含めたシステム重量でほとんど同じ数値という。Lefty2.0はトレイル量やクランプが刷新されているものの、フォーク内の基本的な構造は2013年に登場したSuperMAXと同じなのでメンテナンス頻度の少なさや信頼性についてはディーラー筋からも評価する声を聞いているので、あまり心配する必要はないだろう。

ライバル、つまりTREK SUPERFLYやS-Works STUMPJUMPER HTに比べた走りでは、加速時の掛かりの良さは特筆すべきだが、高めのトルクで踏んで行った時の巡航性は同じかSTUMPJUMPERの方がやや上。ヒルクライムの軽さはホイールがENVEであることを差し引くとどれも誤差の範囲だが、ENVE付きの状態なのでF-Siの圧勝。振動吸収性はSUPERFLYとF-Siが優れている。全体的な剛性感、しっかり感ではSTUMPJUMPERに部がある。
 
Albstadt14_Cannondale F-Si Launch_BIKE_by ADL-9999
 
一方でF-Siが突き抜けているのはハンドリングということで間違いないだろう。高速ダウンヒルでの安定性、高速コーナーで切れ込んでいく瞬間の安心感と盤石感、低速シングルトラックでの取り回しまですべてに於いて5つ星と評価出来る。速く走るなら29er、(中・上級者が)楽しく乗るなら26インチか27.5インチを長く唱えてきた私も、楽しくて速いの両方が揃ったF-Siは、ホイール径の話なんかどうでも良くて、問題は楽しくて速くて安定しているかのバランスの話だけだという事に気がつかされた。
 
Albstadt14_Cannondale F-Si Launch_BIKE_by ADL-0021
 
フラッグシップのXCOレーサーには29erしかラインナップしない、もしくは29erと27.5の両方をラインナップするで各社の対応が別れているが、アメリカ系の3大ブランドは29erのみの展開で今のところ揃っているが、F-Siがここまで来てしまったのなら、27.5はXCレーサーには必要ないという判断も否定する理由が無い。従来の最大の欠点だったポジションが出せないという問題も、F-Siでは既報の通り解決済み。2015年にXCレーサーを探すのならまずは乗っておくべき1台であろう。
 



report:Kenji Nanba
photo:Cannondale
date:15.1.1