世の中にカーボンホイールは数あれど、
究極の空力性能と
巡航能力を併せ持ったカーボンエアロホイールとは何なのか?
前代未聞の空力実験とインプレッションで頂点を探った。 

 

回の頂上決戦テストの意図は極めて明確だ。ツールド沖縄210kmであったり、アイアンマンディスタンス・トライアスロンのバイク区間をより速く楽に駆け抜けられるホイールとは一体何なのかを探す。そこにプロフェッショナルアスリート的な観点と、アイアンマンであれば完走するのがやっとのホビーライダーとしての観点から、自分で手に入れたいと思うホイールを考えて見る事がテストの最終目的である。

テストに当たって用意したホイールは4本。全てのホイールが、そのブランドのフラッグシップホイールであり、それぞれのホイールどれを取っても開発者の魂が感じられる一品である。まずは頂上エアロホイールの代名詞、カンパニョーロのBORA ULTRA two。そして、数多くのトッププロがここぞという山岳ステージで使って来た飛び道具、Light WeightのフラッグシップホイールObermayer。完組ホイールの仕掛人、MAVICのフラッグシップホイールCOSMIC Carbon Ultimate。最後に、ランスアームストロングのツール7連覇を支えた通称「風神様」ことBontragerのAEOLUS、その中でもリムハイトの最も高いAEOLUS 9.0だ。


Light Weight | Obermayer
Campagnolo | BORA ULTRA two

Bontrager | AEOLUS 9.0 , Clincher
MAVIC | COSMIC Carbon Ultimate

インプレッションは実戦の条件を考えて4種類行った。まずは単純なホイールの空力性能を探る空力実験、そしてレースでの逃げやトライアスロン、通常走行での使用を考える平坦路での巡航能力テスト、ヒルクライムでのテスト、そしてスプリントのインプレッションだ。

まずはエアロホイールの基本的な性能である空力性能の測定を行うことにした。関東某所にあるクローズされた場所で行った今回のテストは、7%の直線の下り、気温は摂氏25℃、タイヤ空気圧は7.5Bar、風速1m以下、測定に使用するバイクは1台のイーブン条件で同日に行った。テストの方法は至って簡単。時速40kmで測定区間の7%の下り坂に入り、同じダウンヒルポジションで最高速度が何kmまで到達するかを測定するというものだ。最高速での伸びと40km/hの巡航時の空力特性は同じでない事から、このテストの結果がすなわち実戦状態での空力性能の高さを表す数値でない事は明らかだが、エアロホイールとしての単純な空力性能、特に60km/h近くの速度での傾向が測定出来る事も明らかである。

テストの結果に先立って、ホイールそれぞれのスペックを表に表してみたが、見た目には大差のないエアロホイールだが、その構造の差は全く異なると言って良い。このような構造の異なるホイールが果たして、どのような結果を出すのだろうか?

BontragerLight WeightCampagnoloMAVIC
AEOLUS 9.0LightWeight OberMayerBora Ultra twoCosmic Carbon Ultimate
リムハイト90mm53mm50mm40mm
スポーク数F16/R16F20/R20F18/R21F20/R20
リム素材OCLVフルカーボンフルカーボンフルカーボン12Kフルカーボン
ハブ素材アルミニウムカーボンカーボンカーボン
スポーク素材ステンレススチールカーボンステンレススチールUDカーボン
ベアリングシールドスチールシールドセラミックカップ&コーン式セラミックQRM+スチール
ブレーキパッド専用品(コルク)専用品専用品専用品
リム構造クリンチャーチューブラーチューブラーチューブラー
エアロ部分の構造空力カウルリム構造体半リム構造体リム構造体
フロント重量(公称値)845g前後990g565g520g
リア重量(公称値)995g745g665g


まず、最初にテストを行ったのは4つのホイールの中で一番リムハイトの低い、MAVICのCOSMIC Carbon Ultimateだ。計測結果は55.9km/h、54.4km/h、55.3km/hで、平均値は55.2km/hとなった。次にテストを行ったのは、2番目にハイトの低いBORA ULTRA two。


計測結果は、56.1km/h、56.4km/h、55.4km/hとなり平均値は56.0km/h。COSMICと比べると+0.8km/hと僅かだが、明らかな速度の差が現れた。10mmのリムハイト、そして細身のステンレススポーク、セラミックベアリングによる摩擦抵抗の差が出た結果と言えるだろう。

第2回へつづく