SHIMANO DEORE XT FC-M770-10

ジャーナリスト視点でのインプレッション
シマノ社内では一体全体どういう商品企画が行われているのか?と思わせる短命ぶりに終わった先代DEORE XTの後期モデル。発表から製品の登場までが半年程空いた為、結果として市場に現行モデルとして出回った時間は僅か10ヶ月程となってしまった悲運のモデルがM770 DYNA-SYSである。が、その一方で性能は世界を驚かせた。
SRAMのXX投入後、矢継ぎ早にX.O、X.9と発表してきた動きにビックリしたシマノが、all-new XTRでドーンと発表するつもりで密かに暖めていた(リリースとモデル寿命からして、としか考えられない)DYNA-SYSドライブトレインを先行で投入しただけあって、変速精度は突貫工事で作ったような代物ではなく一言で歴代ベストXT。2(3)×10速化のメリットも入れるとnew XTR以前ではベストコンポーネント。実際、友人のアメリカ系中小メーカーのオーナーはこぞって完成車にX.OじゃなくてXTを採用していた。前年はこぞって、フラッグシップにSRAM XXを採用したのに。「なんでX.Oじゃないの?」と聞くと、「お前は両方乗り比べたのか?」と聞き返された。変速性能に関してこれ以上何を語る事があろうか。ちなみに、980系XTRと比べるとXTとの差はやはり、XTRとXTの差。流石シマノ。大阪商売。
クランクアーム単体として見ると、あくまでマイナーチェンジであるのでアーム自体の造形には前期モデルと大差ない。970以降のXTRの様なカチッとした硬さではないが、並べて乗り比べなければ「気のせい」のレベル。変速性能と重量を除くと、XTRとの差は限りなく少ない。また、横並びの剛性感比較ではSRAM XXよりもXTの方がアームの剛性は高いと思う。一方でその分、下りでは足にガツガツと衝撃が来るのも事実。ではどちらが良いのか?それはプロでないと解らないと思うし、プロはそんな事は気にしていないとも思う。よって、好みの問題。この点は個人的にはXXやX.0の方が好きだ。
Kenji Nanba

プロ視点でのインプレッション
スラムの10速化に合わせ、火急で世に出したのか?と思われるXT10速。世の中に知れ渡らず、極少数しか出回らなかったXTだがその出来栄えはさすがシマノと言わざるを得ない作り。火急で作ったにしては、と注釈は付けるがその後に出た現行のXTと比べても殆ど遜色が無い。
 
 

小笠原崇裕