Specialized 74 Road Shoes

どんな製品?
定評あるS-Worksロードシューズの最新モデルをベースにアッパーにカンガルーレザーを採用したラグジュアリーモデル。74はSpecializedの創業年に由来し、クラシックなデザインと最新のテクノロジーを融合したシューズとされる。

ジャーナリスト視点でのインプレッション
近年のロードシューズの定番となっているS-Worksロードシューズだが、実は初めて日本に紹介したのは何を隠そう私であると言っても嘘ではないと思う。それまでのビミョーだったシューズとサヨナラして08年だったかに導入された現行フェイズ式のS-Worksシューズがグローバル試乗会の会場で用意されていて、履いてみたら今までシューズに悩んでいたのがあら不思議。自転車用シューズにフィット感という単語を使えるシューズは個人的にはこれが初めてだった。と言う事で当時雑誌にその旨を書いた事を今でも覚えている。

個人的な考えではSpecialized印のシューズを履いて他のブランドのバイクに乗るなど言語道断。フェラーリのアパレルを着てランボルギーニに乗るようなもんだと思っていたが、背に腹は替えられぬ。というかカッコや信念よりも痛くないと言うのは一番大事なポイントなので、S-Worksシューズはそれからと言うもの一番の愛用シューズとなった。

そのS-Worksシューズに限定版のカンガルーレザーバージョンが出た。74 Road Shoesである。Sロゴも控えめで美しいシルエット。履き心地と合わせてこのように完璧なロードシューズがかつて存在したであろうか?滑らかでサラサラのカンガルーならではの革。と言いたい所だが、カンガルーレザーなので所謂高級牛革の様な滑らかなモノではなく、少々ゴワゴワ。自転車用シューズ素材としてはCarnacを含む多くのブランドで愛されて来た素材だけあって、シューズとして求められるアッパー性能を考えるとこの位の革の方が良いと聞く。

実際に長時間履いた印象では、アッパー素材にも剛性感のあるS-Worksの方が好みだが、こちらのシューズの正確を考えるとこれはこれで全然OK。一方でソールについてはFact12.0ハイモジュラスカーボンソールであるので、S-Worksと同じものであると想像されるし、踏み心地も同じ。BG+ながらオリジナルグラフィックのインナーソールやヌバック調のシューズケースまで採用する凝り方は、恐らく創業年の名前まで入れちゃったマイク・シンヤードの肝入りプロジェクト故。ちなみに、革シューズなので少々蒸れるが、伊達は痩せ我慢。

正直言って74 Roadは、自転車シューズ史上、デザイン、履き心地、ラグジュアリー度合いのすべてを最高レベルで両立させた究極の一品であると言えるが、何故か国内展開は40、41、42の3サイズでハーフサイズが存在しない。ちなみに私の足は41.5。

Specializedと言えばBody Geometryである。mm単位までこだわる同社が何故、日本人が一番多いサイズ帯である41.5を用意していないのか。インソールを切れば良いではないかという話もあるが、そう言う問題ではなくて気分の問題。ちなみに海外では41.5サイズが展開されている国もある。出張のついでに寄ったストアで売っていたので私は41.5を買った。

74シューズは限定販売なので、気になる人は早めに動いた方が良い。ハーフサイズが国内展開していない事を除けばこのシューズは20年に一度の最高傑作と言える。
 
 

report:Kenji Nanba
photo:Kenji Nanba
date:2011.11.15