Selle Italia SLR Monolink Team Edition

どんな製品?
20年に一度のサドル革命(?)がMonolinkシステムだ。SELLE ITALIAが中心になって開発したサドルとシートポストの規格で、従来の2本レールに変わって1本のレールをシートピラーの従来の櫓部分で挟む事でサドルを固定する。
セライタリア曰く、50%捩じれ剛性が上がり、太もも部分に干渉するサドル幅を狭く設計出来るため大腿筋の血流量が増え、サドルの前後調整幅も広がり、脱着も容易な上に軽量化出来ると言う夢のようなシステムだ。詳しい規格は、Monolink規格のスペシャルサイトをご覧頂きたい。

プロ視点でのインプレッション
過去に発表と同時に乗った時の「ダメだこりゃ」な印象が強すぎて、今回も大きな期待を抱かずに乗ってみた。結果的に印象は大きく変らなかったが、熟成が進み以前の物と比べるとかなり乗り心地が改善されているように感じられた。MTBの荒れたトレイルではケツを蹴り上げられたかの如く、真下から衝撃がモロに伝わってくるのは変らないが、その伝わりが若干マイルドになっているようでこれはカーボン化の恩恵だろうか。MTBでは基本的にはフルサスペンションバイクに使用するものであろう、リジットではスパルタン過ぎて楽しいライディングが修行となってしまうかもしれない。しかしサドルは座るものではない、バランスを取るだけのものだ!と言い切って体幹で常に支えられる程の筋持久力を持ったライダーにならオススメできる。

report:小笠原崇裕

ジャーナリスト視点でのインプレッション
かつてのフライトチタン時代の寡占っぷりは何処へやら、Fizik(Selle Royal)やSpecializedにシェアを大きく奪われたセライタリアの最終手段が、禁じ手とすら思われていた「サドル固定規格の変更」だ。
医学的にコロラド州立大学やウィスコンシン州立大学と共同研究を行って来たSpecializedやBontragerをして、口を揃えて大腿筋の血流量を増やせば4%だったか6%だったかパワーアップ出来る。と2009年ぐらいに大学教授のサイン入りで大声でプレゼンテーションを行っていた記憶があるので、サドル幅を狭くして干渉部分を減らす考えは恐らく間違ってはいないのだろう。捩じれ剛性についても大幅に向上しているし、競合と比べてシステムで40g弱の軽量化も実際に可能だ。
が、一般アマチュアサイクリストがサドルに望む快適性は何処に行ってしまったのか?標準レールのSLRと比べても乗り心地の悪化は当社比-20%ぐらいの感覚。「ドカッと座るな」と怒られてもホビーサイクストの筋力で100kmとか150kmとかを緊張したまま走れる訳もなく、疲れてドカッと座らざる得なくなった時の快適性は標準レールのFIZIKやSpecializedに譲る(あくまで個人的な感覚値で個人差があります。)。SPECIALIZEDの穴空きサドルや、BONTY、FIZIKが大事にしている、ソフトティッシュー部分(軟部組織の事で、股間ではSPECIALIZEDのサドルで穴が空いている部分の事で血流に大きく影響を及ぼすらしい)へドスドスと響いて来る感覚は、一言で「プロ仕様」。
個人的にはMONOLINKのメリットを維持したままに乗り心地に配慮したモデルの登場を期待したい。それまでは普通のSLRの方が良い。
 
 

report:Kenji Nanba
photo:Kenji Nanba
date:2011.12.20