トレイルライディングで使うR.V.CARBON XT

先代のR.V.CARBONも同じだったが、コラテックが作り出すレーシングバイクは手を抜いている所がなく、非常に真面目な作りを一貫している。この真面目さ故に緩く走るトレイルライドではどうであろうか?

バリバリのレーシングバイクでトレイルを走っても「楽しくない」という評価を下される事が多いのも事実。しかしそんな評価が全てではなく、やはり「速い=楽しい」という絶対的なものを得るにはトレイルバイクよりレーシングバイクである。

正直な所、ゆっくり走っても苦痛なだけだ。バイク&ホイールの反応性とゆっくりなケイデンスが合わないし、ある程度のトルクや応力がフレームにかかっていない状態では乗り心地が悪く、ガレた路面では左右のバランスが取り難いし、路面コンディションの足への伝わりも希薄。

徐々にスピードを上げていくと安定性が増してきて、ペダルを踏んだ踏み応えもカーボンらしさが出てくる、そしてトラクションが掛かる様になるのでグリップが一段と上がる。この辺りは体力によっても感じ方は様々だろうが、王滝で7時間台とか、Jシリーズを走っているとか、この程度の体力があって初めてR.V.CARBONの良さをトレイルでも引き出せるのだと感じる。

トレイルでは路面やハイカー等と不確定要素が多く大きいので、速さを得て楽しむためにはシビアなバイクコントロールが要求される。このバイクを完全に操るにはスキルが高いのはもちろん、発揮する事が難しいバイクなのはレースの回でも書いたとおりで「何となく突っ込んだ」が通用しない。

針の穴に糸を通すかのコントロールが必要だがすべてが合わさった際のバイクの動きは身体の一部そのもの。良いポジションを取り良い重心に乗って人車一体になってしまえば後はバイク任せに走らす事が出来る。

フォークとヘッド剛性がもたらすハンドリングの軽さはゆっくりペースなトレイルでは逆に扱い辛い。僅かな力でハンドルが左右に切れてしまうので慣れないとフラフラしてしまうだろう。慣れたとしても直進安定性が良くなる事では無いので特に斜度のある登りでは真っ直ぐ走るように気を使うがために腕や手に余分な力が入ってしまうかもしれない。やはり速さを必要とするバイク、R.V.CARBON。

万能性は高い、しかしライダーに求めるレベルも高い。まさに玄人向けのバイクだ。
 
 

report:小笠原崇裕
photo:The Bike Journal
date:12.7.28