「5分で読めるCannondale 2013注目モデル斜め乗り」特集

「5分で読めるCannondale 2013注目モデル斜め乗り」特集、斜め読みならぬ斜め乗りなので、試乗時間はそれぞれのバイクについて60分程度。カッチリとレースでの実戦と普段使いも含めてインプレッションした長期インプレッションではないので斜め乗りと名付けたが、スポーツバイクに10台もしくは5年程度乗った事のあるライダーならこの程度の時間のインプレッションが大半の場合において裏切らないのは知っているだろう。という事で2013モデルの注目モデル10台を集めてみたが、ラインアップは次の通り。難波と小笠原による対談形式でお届けしたい。

試乗した車両は、CAAD 8、CAAD 10、SUPERSIX EVO、SUPERSIX EVO Hi-Mod、SLICE RS、TRAIL SL 29ER3 SS、JEKYLL、TRIGGER、SCALPEL 29 3、Hooliganの全10台。

難波-  さて、「5分で読めるCannondale 2013注目モデル斜め乗り」言いたい放題祭りを開催したいと思います。

小笠原- (パチパチパチ)THE BIKE JOURNALは自転車メーカーの広告を入れずに、自転車ジャーナリズムを追求するメディアであるので、ここは包み隠さず真実だけを伝えて行きたい。細かいスペックや価格などをまとめるのは我々の仕事ではないので気になったモデルがあったらキャノンデールジャパンのサイトのリンクでも貼っておくのでコッチに見に行って欲しい。

難波- まとめるのがメンドクサイだけなんじゃないの?

小笠原- まとめるための労力をジャーナリズムに集中して追求したい。我々はスペックの羅列や広報資料を書いただけのメディアではナイノダ。

難波- おみそれしました。。。さて、どれから行きましょうか?

小笠原- まずは、TBJの読者人口的に一番多い、SUPERSIX EVOじゃないの?

難波- 2013モデルでは、既報の通り、同じSUPERSIX EVOでもフレームが3種類から選べるようになった。去年、SUPERSIX EVOと呼んでいたものは、SUPERSIX Hi-Modになって、SUPERSIX EVOラインのエントリーモデルとして、SUPERSIX EVOが出来た。それから、もう一回世界最軽量になった、SUPERSIX EVO nanoが登場した。
解りにくいのでもう一度まとめると、
SUPERSIX EVO(ミディアムモジュラスカーボンの使用量を増やして56サイズでフレーム重量950g以下)
SUPERSIX EVO Hi-Mod(2012年のSUPERSIX EVO。ハイモジュラスカーボンを多用。56サイズでフレーム重量700g以下)
SUPERSIX EVO nano(ナノテックレジンを作用したハイモジュラスカーボンで世界最軽量)

小笠原- 注意点としては、写真のバイクとグラフィックが変わるとか?

難波- 自動車メーカーからの意匠・商標のツッコミで、トップチューブとフォークのEVOの文字が6になるらしい。6のグラフィックが付いたバイクの写真を見せてもらったけど印象的には全然変わっていないという感じ。

小笠原- EVOって名前がついたバイクなんか幾らでもあるじゃん。

難波- まあ、それだけ目立っちゃったって事でしょう。商標問題なので、誰が悪いとは言えない。ただし、EVOの名前の自転車出さないのに、それを許可して独占させちゃう総務省には一言言っておきたい。さて、SUPERSIX EVO(以下、標準EVO)と従来からあるSUPERSIX EVO Hi-Modの違いはどうだろう?

小笠原- いわゆる剛性感の面では大差はないが、Hi-Modの方が乗り心地が明らかに良い。乗り心地が良いのに、スプリント的に踏んで行った時はバシューンと加速する。バイクとしての気持ち良さという意味ではHi-Modの方が上手だが、ここの所長く乗っているSUPERSIX EVO Hi-Modと、SUPERSIX EVOのパーツを付け替えて乗るとどうなのか?フレームの差がそこまであるのか?というのはやってみないと解らないし、興味はある。私が乗ってそう感じるぐらい標準EVOは高いレベルに来ている。

難波- 基本的に同感。ただし標準EVOの方が、ハンドリングのどっしり感というか安定感はあるね。

小笠原- 確かに、中級者が安心して走れるような安定感はある。エリートレーサー的にはEVO Hi-Modのハンドリングはピカイチなんだけど、路面の微振動を吸収しすぎるのが逆に初・中級者には安定していないと取られてしまうかもしれない。
その点、標準EVOとHi-Modの作り分けの上手さは本当に上手い。ここ数年になってトップ5ぐらいのブランドは、このターゲットユーザーを解ったヒエラルキーの作り分けが本当に上手くなっている。

難波- 標準EVOは、キャノンデールらしいアッセンブルの上手さも評価出来る。アルテグラDi2に、ヌードカーポンのカラーリングとパーツカラーの組み合わせ。アルトレモZXのロゴまで揃っているのでパーツアッセンブルを考えた人が自転車マニアなのは間違いない。

小笠原- キャノンデールは昔からそうだ。

難波- という事で、SUPERSIX EVOとHi-Modの結論は?

小笠原- 財布の状況に合わせて選んで良し。どっちを買っても後悔する事は無いが、Hi-Modが気になる、お金が有り余っているという人はHi-Modをどうぞ。

難波- ついでに言うと乗ってないけど個人的にはEVO nanoのカラーが好きだ。

難波- カラーリングが良いと言えば、ガルフレーシング風カラーのTRAIL SL3、シングルスピードのフルリジッドアルミ29erは、2012年シングルスピードMTB全日本チャンピオンとして、どう思った?

小笠原- カラーリングは100点。フレームシェイプ、フォークシェイプも含めてファッションアイテムとしては文句ないが、いざ自分がシングルスピード全日本選手権に優勝を狙ってこれで出るかと言われたらそれは断じて、ない。カーボンでフロントサスのついているバイクの方が重量とトラクション、ハンドリングが圧倒的にモノを言うシングルスピードレースでは絶対に速いからだ。

難波- 全日本チャンピオンらしいお言葉・・。とはいえ、これで本気でレースするとはキャノンデールも想定していないでしょ?街乗りアイテムとしては、このバイクは良いよね。タイヤをスリック系に変えると、本当に楽しくてカッコいいバイクになると思う。
一方で、自分がトレイルライディングで使うとすると、実際にこのバイクでオフロードを走りまくってみた結論として、やっぱりシングルスピードより変速付いてサスも付いてる方が楽しいと思う。

小笠原- 東京・大阪・名古屋の都心みたいな平らな所で乗るのにはオススメ出来るが、トレイルライディングするなら普通のライダーなら素直にギア付きのTRAIL 29ERを買った方が良いでしょ。シングルスピードでオフロードは変態の所業。普通の人にはお勧めしません。

難波- シングルスピード全日本チャンピオンのあなたは、要するに日本の変態の頂点と・・。

小笠原- ・・・。アルミフレーム&フォーク自体は、特にフォークがリジッドなのでオフロードでの乗り心地が良くないけど剛性バランスは凄く良い。流石キャノンデール。タイヤのボリュームがあるのでオンロードでは、オフロードで感じる乗り心地の悪さが全くない。そういう意味でも街乗り用。

難波- とはいえ、リアドロップはついてるので、買った後にやっぱシングルスピードじゃ・・と悩んでも後からギアードに変えられるのはポイント。


難波- さて、次行きましょう。スライスRS。ジロでリクイガスが投入して以来気になっていたバイクにようやく乗る事が出来た。

小笠原- ただし、用意の都合でサイズが56なので、インプレもあくまで参考とさせて欲しい。

難波- 写真より実車の方がカッコいいよね。

小笠原- 写真で見た時はウーン・・・と思っていたが、変態的なルックスのシートポストが、実は実物はカッコいい。モード系。キャノンデールは自分で自分がどういうブランドなのかを良く解っている。尊敬するジャーナリストの中村浩一郎さんのお言葉をお借りすると、「ブレてない」。

難波- ハンドルとかステム周りの処理もオリジナリティと一体感のある処理なのに実は31.8径の普通のブルホーンが装着出来る所がいい。では乗った印象は?

小笠原- 走りは競合のTTバイクに比べてロードレーサーっぽい。TTバイクって立ち上がりの加速がモッサリしているバイクが多いけど、SLICE RSはシャキッと加速する。あと、乗り心地が抜群にいい。この2点でロードレーサーっぽいと言える。あとハンドリングもサイズがあってないので、あくまで参考だが、少なくともヒンジ型のステアリングコラムを採用しているバイクとしてはピーキーじゃないのは良く解った。あとブレーキが利く。

難波- ブレーキがちゃんと効くのは確かにトライアスロン愛好家として嬉しい。ブレーキに関しては、文句無しにイケてる現行フラッグシップのTTバイクは、SHIVとコレぐらいのものではなかろうか?

小笠原- SHIVはキャリパーブレーキだから比較対象外。むしろP5。P4のリアブレーキは返品モノだったが、P5というか、P5にはまだ乗っていないがあれに付いているMAGURAのRT8は文句無しに良かった。


(参考写真:P5に装着されるMAGURA RT8TTと同じRT8TTを発売前の4月にP3に装着して小笠原崇裕が試乗した様子。詳しいインプレは、4月20日発売のサイクルスポーツ誌にて掲載されていますのでバックナンバーをご覧ください。)


難波- デザインの細部は更によくよく見て行くと、本当にキャノンデールというブランドは・・・。という程にオリジナリティがある。リアステイの処理とか。

小笠原- ここまでオリジナリティがあるモノを作るのなら、UCIルールに片持ちロードフォークが禁止という規定があるのかどうか知らないが国際トライアスロン連合やアイアンマンには関係ないのだから、キャノンデールらしさを爆発させるために、無茶を承知で言うがLEFTY TTを作って欲しい。

難波- 空力的にもフォークが半分ないから優れているという結果が出るかも。。。

小笠原- 結論としてはSLICE RSはTTバイクに乗り馴れていないトライアスリート。アイアンマンに出るために最初のTTバイクにいきなり100万払える人に乗って欲しい。ロードレーサーから違和感無く乗り換えられるだろう。正直言うと自分でも来年辺りミドルのレースに出る時に一度借りて乗ってみたい。あと、更に言うなら本国で展開しているBLACK inc.カラーのSLICE RSは本当にカッコいいので、キャノンデールジャパンには限定でいいからアレを入れて欲しい。入れたら難波さん買うでしょ?

難波- 迷う間もなく買う。

小笠原- という事で、速読チャンピオンでも5分で読める限界を超えちゃってるので、続きは後編にしましょう。最初に1回で終わるとは一言も言っていないので。

難波- そう来ますか。

CAAD 8、CAAD 10、JEKYLL、TRIGGER、SCALPEL 29 3、Hooliganの斜め乗りインプレッションは、「5分で読めるCannondale 2013注目モデル斜め乗り」特集後編でお届けします。
 
 

5分で読めるCannondale 2013注目モデル斜め乗り・後編に続く

Talk:Kenji Nanba,小笠原崇裕(まとめ:Kenji Nanba)
Photo:The Bike Journal
date:12.10.10