「すぐ読めるMERIDA 2013注目モデル斜め乗り」特集 vol.1

難波 - 第2回2013年モデル言いたい放題祭りは、ドイツのMERIDA。

小笠原 - パチパチパチ。

難波 - MTB XCの世界ではワークスチーム(MULTIVAN MERIDA BIKING TEAM)に女王様のガン・リタ・ダールが所属していて何回勝ったか忘れたぐらい(正確には28回)ワールドカップを勝ったり、11年の世界選手権でホセ・ヘルミダが男子エリートの世界チャンピオンになったりで知らない人は居ないブランドだ。

小笠原 - 知らなかったらニワカでしょう。でも、直近まで日本では非常に陰が薄かった。。。

難波 - 今年に入ってMIYATA-MERIDA BIKING TEAMが出来て、斉藤亮がMTBジャパンシリーズでシリーズチャンピオンになったりしてで、ようやく日本のライダーの間にもその実力というかブランドが知られて来た。

(写真右が斉藤亮。左は井本京吾)

小笠原 - とは言え、ロードの人はつい最近のランプレへの機材供給が発表されて、それで存在を知ったという人もいるんじゃなかろうか?

難波 - 間違いない。特にブランドについてはまったくと言っていい程理解されていない。

小笠原 - 欧州での立ち位置がここまで理解されていないブランドっていうのは他にないのではないですかね?日本人の大好きな自転車の本場、ヨーロッパに行くと5本の指に入るブランドですよ。

難波 - 特に、ドイツ・スイス・チェコ・ベネルクス3国・北欧・ロシアでのシェアは、ハイエンド、ローエンド共に圧倒的だよね。

小笠原 - ここまで日本で理解されていない現状はバイクジャーナルとしてなんとかしないといけない。

難波 - いきなりMERIDA押しですね。

小笠原 - ドイツ行ったらライバルはスコットとかフォーカスとかスペシャライズド(注:ドイツでも強い)とかそのレベルですよ。世界の現場で見て来たそう言う事をしっかりと伝えるのが僕の仕事だと思っている。

難波 - この前雑誌をペラペラとめくってたら、最近13年モデルがずらーっと紹介されているでしょ。そこでこんなことがあったの。

小笠原 - どんな?

難波 - MERIDAが紹介されていて、キャプションに「台湾で2番目のブランドMERIDA」って紹介されてる訳。ちなみに、そこには何故か新モデルのSCULTURA SLじゃなくて、モデル末期のREACTOがドカーンと紹介されていた。

小笠原 - 色々違い過ぎるでしょ。台湾じゃなくて、「世界」で2番目のブランドだから。MERIDAは。1位はジャイアント。2位メリダ。これは自転車界の基本です。MY13で注目なのはDURA-ACE 9070DiがついてるREACTOもあるけどむしろSCULTURA SLだから。

難波 - 更に言っておくと台湾じゃなくてドイツのブランドだから。

小笠原 - そこは詳しく説明しておかないと読者にMERIDAは台湾だろって突っ込まれると思う。

難波 - 冒頭からバイクの紹介からかなり脱線し過ぎている気がするけど、ここは全然解られていないみたいなのでハッキリ言っておく必要があるのでバイクの前に詳しく説明しておく。

小笠原 - 難波さん、個人的にもMERIDA CENTURION GERMANYのトップと親交があるんでしょ?

難波 - かれこれ5年以上。

小笠原 - まずそこから説明してよ。

難波 - MERIDA INDUSTRYは台湾の台中近郊に本拠地を置く企業で、今年で創業40年になる製造台数世界2位の自転車製造会社。年間のフレーム生産本数は正確には暗記してないけど120万台ぐらいだったと思う。

小笠原 - そこはちょっと知っている人なら常識的に知っている事だと思う。

難波 - 設立当初はアメリカンブランドのOEMを中心に製造していたMERIDAがなんでこんなにヨーロッパで爆発しちゃったのかというと話は20年程前にさかのぼる。

小笠原 - ふむふむ。

難波 - まず最初に自転車に関しては先進欧州諸国の中でも後進国だった北欧に拠点を作って販路を開拓しようとしたんだけど、何せOEM主体でやってきた会社なので欧州のカッコいいブランドと比べるとトレンドの最先端を行く自転車が作れなかった。よって販売面でも苦戦したらしい。

小笠原 - ほほう。

難波 - そこでMERIDAが頼んだのが、70年代前半のシクロクロスでドイツ選手権を3連覇し、世界選手権でも表彰台に乗ったドイツオフロード自転車界の英雄、ウォルフギャング・レナー。彼自身は日本でも知られているCENTURIONというブランドの創始者で、自転車の製造上のつながりでMERIDAと面識があったらしい。

小笠原 - ドイツと言えば、90年代中盤にヤン・ウルリッヒが出て来るまで、ツールで総合優勝していない国だけどMTBでは強い選手を輩出してきた国なので、当時からロードとMTBの双方が人気だった。今では、世界でアメリカについで2番目に重要なMTBマーケットにまで育っちゃってますが。

難波 - で、一緒に設立したのがMERIDA CENTURION GERMANY GMBH。シュツットガルト近郊のドイツの自転車産業の中心地マグシュタッドに会社はある。ドイツで商品企画と設計開発、グラフィックデザイン、マーケティングをやって、生産は台湾という今のMERIDAのスタイルを確立した。

小笠原 - だからMERIDAはドイツのブランドだという訳ね。

難波 - 少なくともドイツに行くとドイツ人はMERIDAは自国のブランドだと思っていて、MERIDA自身もMERIDA from Germanyと言ってるんだから、もはやドイツのブランドという認識で良いのではないか。
少なくともそういうバックグラウンドと開発体制がある事だけは、ここでハッキリと伝えておきたかった。

小笠原 - 資本の大半が台湾だから台湾のブランドだとか言い出したら、イタリアンブランドなんか、もはや目も当てられない。

難波 - その話は脱線し過ぎなので、ここで踏み込むのはやめておこう。。。

小笠原 - 世界2位なのも最大マーケットのアメリカで売っていなくて2位なんだから凄いよね。

難波 - なんで売ってないのか知ってる?

小笠原 - いえ、正確には。

難波 - MERIDAの話だと、OEM製造メーカーとして始まった70年代の初期のクライアントが主にアメリカのブランドだった。特に契約がある訳ではないので世界最大マーケットのアメリカに乗り込んで行っても良いんだけど、MERIDAとしては当初の顧客との信頼と関係を大切にしたいと、本社の副社長と話した時に言っていた。

小笠原 - 信頼関係を大切にするっていうのは人として重要だよね。

難波 - で、そのMERIDAの2013モデルを今回どれに乗っても良いですよと言われて、ほぼ全車種集めて試乗させてもらった。

小笠原 - 本当を言えば全部試乗したかったけど、時間の都合上選りすぐりの10台程を試乗した。正確には、今回の試乗会では6台程。他は以前に乗り込んでいるモデルもあるのでその辺と合わせて10台程。写真によって服装や背景違うのはそう言う理由。更に言っておくとBIG.NINEは写真撮影したのが12年モデルだけど、インプレで語っているのは13年モデルなのでその辺ご了承頂きたい。見た目上はホイールとほんの一部グラフィックが違うだけだけど。

難波 - では、どれから行きましょうか?

小笠原 - 注目度合いの大きさから言うと、ランプレ仕様のSCULTURA SL TEAMなのかもしれないけど、個人的にはMERIDAですからマウンテンバイクじゃないですか?

難波 - じゃあMTBで。個人的な話になるんだけど、ガレージに26インチ用の100mmトラベルのFOXフォークとホイール、あとコンポが余っていて何かフレームを丁度最近探していた所なの。

小笠原 - パーツが余ってるという意味が解りませんが・・。

難波 - で、どれにしようかなー。とカタログなり雑誌なりをめくって探していたら、もはや売ってないんですわ。

小笠原 - 何が?

難波 - 26インチの最高級ラインのフレームセット。

小笠原 - スペシャライズドはとっくの昔に辞めちゃったし、キャノンデールもXCレース用の本気26って言う意味では去年で辞めているし、トレックも僕の大好きなトップフューエルが残念ながら12年で生産終了になってしまったし、ジャイアントもアンセムは29だけになったんだっけ?

難波 - 小さいブランドや、ビルダー系だとまだ手に入るけど、世界的にみて問答無用の大手っていうともはや殆ど残っていない。特に100mmトラベルのフルサスになると更に選択肢が少ないわけ。なんだかんだ言って昔XCレースをカジッてた身としては100mmトラベルのフルサスが日本のトレイルでは一番楽しいんですよ。考えが古いと言われるかもしれませんが。

小笠原 - そこでハードテイルと言わない所が3流のXCレーサーっぽい。

難波 - ・・・。

小笠原 - そんな脱26の状況にしてはMERIDAのラインナップは、上から下まで全部揃えてますっていうラインナップは確かに凄い。

難波 - OEM生産じゃなくて、自社で生産工場持ってるからこそ出来るラインナップでしょう。

小笠原 - 今、カタログを見てますけど、26ハードテイル、26の100mm、120mm、140mm、160mm、180mm。29erハードテイル、29erフルサス。アルミ・カーボン、キッズからチームレプリカまでなんでもござれ。ちなみに650Bはないけど。。

難波 - 要するに全部ある。26ハードテイル、26の100mm、29erハードテイル、29erフルサスの4ジャンルのフラッグシップは当然全部乗った訳だけど、まずどれから語ればいいのやら。

小笠原 - まずは、オーソドックスな26インチハードテイルから行ってみましょう。O.NINE TEAMから。

「すぐ読めるMERIDA 2013注目モデル斜め乗り」特集Vol.2に続く
 
 

Talk:Kenji Nanba,小笠原崇裕(まとめ:Kenji Nanba)
Photo:The Bike Journal
date:12.11.25