「すぐ読めるMERIDA 2013注目モデル斜め乗り」特集 vol.2

小笠原 - まずは、オーソドックスな26インチから行ってみましょう。O.NINE SUPERLITE TEAMから。

難波 - 11年の世界選手権でホセ・ヘルミダがアルカンシェルを穫ったバイク。名称の由来は900g台のフレーム重量から来る。

小笠原 - ちなみに5年目のベテランフレーム。日進月歩を通り越したペースで進化するカーボンバイク界にあって5年って言うのは、もはや化石と言っても良いほど時間が経っている。900g台のフレームっていうのは、26ハードテイルはさっき言った通り他のトップブランドがどんどん撤退しているのでいまだに最軽量クラスだけど、既に最新型のTREKのSUPERFLYなどは29erなのに900gを切っちゃってるから、軽いは軽いけど、激軽とは言い難い。その辺が5年目のフレーム。

難波 - 問題は、そんなスペックじゃなくて乗ってどうか。

小笠原 - これがねー・・・。

難波 - これが?

小笠原 - これが、良いんですよ。本当に。もの凄く。

難波 - 完全に同感。

小笠原 - 踏み出しのひと踏みからもの凄く軽い。で、芝の上だろうが、デコボコのトレイルだろうがとにかく微振動を吸収しながら軽々と走る。

難波 - この軽さは誰が乗っても感じられるでしょうな。

小笠原 - ダウンヒルも固すぎず、剛性バランスが絶妙な人馬一体度合いを実現してて、こりゃー未だに選手も愛用するよ。というのが乗ると良く解る。実際、親友の斉藤亮も、山本和弘とシリーズチャンピオンが掛かったこの3戦は29erじゃなくてコッチを使っている。本人は、もちろん色々としがらみがあるだろうから大声では語らないんだけど結果と行動が、静かに、そして確実に何かを物語っている。

難波 - ホセ・ヘルミダも2月に一緒に食事をしたときには、「俺は29erは使わないよ。要らない訳じゃないけど、26のO.NINEの方が好きだ。そこにはチームオーダーなんかない。」と言ってたのを鮮明に覚えている。ちなみに、何故かロンドン五輪ではガン・リタ共々BIG.NINEを使ってたけどその話は後ほど。

小笠原 - 日本以上に、ヨーロッパは既に29erに移行しちゃってるから販売台数は大した事ないと思うけど、それでも作るのを辞めてないっていうだけで誉めるというより感謝。もう自転車文化遺産としてMERIDAには責任もって永久にO.NINEを作り続けて欲しい。

難波 - このまま進化しなくてもいいから。

小笠原 - そう。もはや完成の域に達している。競合は辞めちゃったけど、仮に辞めてなかったとしてもそれらの中で最強を争える実力は持っている。

難波 - 26ハードテイル好きならとりあえず買っとけと。

小笠原 - 難波さん、買う?

難波 - 余ってるフォークが、テーパーコラムでして・・。でも、650B計画が明らかになった今、もうこれは本気ワールドカップスペックの26インチバイクを買える最後のチャンスかもしれないと思うと、生産終了の前に1本押さえておきたいかも・・・。もう一回真剣にレースに出るとき用に。

小笠原 - その台詞、10年ぐらい聞き続けて待ち疲れたんですけど。

難波 - そのくらいの情熱を持ってレーシングバイクに接したい。

小笠原 - テーパーコラムと言えば、このバイク、BB30どころかプレスフィットBBもテーパーコラムもスルーアクスルもポストマウントもなにもついていない。なので局部剛性でみると全部大した事無いけど、全体の仕上がりは凄い。

難波 - あえてケチをつけると、ヘッドの剛性はもうちょっとあってもいいのでテーパーヘッドセットは採用してもいいかも。

小笠原 - それはイチャモンの世界だと思う。これはもう、これで完成系という事で良し。とにかく一度乗ってみて欲しい。試乗車があるかどうか知らないけど、性能からすると驚く程にフレームセットが安いのでとりあえず買って乗ればいいとしよう。

難波 - ちなみにどうでも良い小ネタだけど、フレームについてるチーム仕様のVWマークだけはクリアが吹いていない単なるシールなので剥がそうと思えばペリッと剥がれる。クルマは他社に乗ってるのに自分のバイクにVWロゴはないよなー。って言う人は多いと思うので、これがペリッと剥がれるのは個人的にはちょっと嬉しい。

難波 - 次は、NINETY-NINE CARBON TEAM。26インチの100mmトラベルフルサス。正確にはトラベル量は99mmで、それがモデル名NINETY-NINEの由来。これもチームレプリカモデルで、チームメンバーで言うと、スイスのラルフ・ナフが愛用しまくっている。特にマラソンXCレースで。

小笠原 - 世界戦のXCEで優勝したときは当然NINETY-NINEじゃなくてBIG.NINEだったけどね。

難波 - これに乗ると?

小笠原 - 走り自体のレベルは非常に高いけど、リアバックの剛性に関しては個人的な好みで言えばもう少し剛性があった方が好きだ。

難波 - 重量は非常に軽いし、走りも実際に軽い。でも個人的に僕もレースじゃなくてトレイルとして考えるならもう少しリアの剛性が欲しいと思った。

小笠原 - ただしマラソンXCや王滝なんかを26フルサスで走ろうと考えたら、このくらいの剛性バランスの方が良いのかもしれない。

難波 - 一方で、トレイルでスパッと狙ったラインを走ろうとすると、リアの、特にユニットの付け根付近の剛性感がもたつく感じは否めない。

小笠原 - 走りの楽しさはともかく、レーシングマシンとして走る速さだけを考えてこういう仕上がりに持って行ってるんだと思う。

難波 - そう考えると納得。

小笠原 - 王滝に自分がまた出るんだったら、このバイクは選択肢としてはかなりアリ。

難波 - ちなみに今回試乗したバイクはMY12モデルだったのでユニットがDT SWISSのカーボン仕様が装着されているけど、MY13ではロックショックスに変わっている所は了承しておいて欲しい。

小笠原 - ロックショックスに変わったって事は、キャニスター周りの剛性はかなり高くなっているだろうからひょっとしたらそのセッティングでは別物になっているかもしれない。機会があれば13年モデルに乗ってみたい。

難波 - 次は最新モデルの29erフルサス、BIG NINETY-NINE XT-M行ってみましょう。

「すぐ読めるMERIDA 2013注目モデル斜め乗り」特集 vol.3に続く
 
 

Talk:Kenji Nanba,小笠原崇裕(まとめ:Kenji Nanba)
Photo:The Bike Journal
date:12.11.28