カンチェラーラがスプリントでパリ・ルーベを制す

過去60年で最も長い冬が終わり、春の陽気となったフランス。パリ近郊のコンピエーニュをスタートして、ルーベを目指す256kmの伝統のクラシックレース、パリ・ルーベは今日で第111回。

北の地獄の渾名の通り、過酷さを極めるパリ・ルーベは、転向には恵まれた者の例年通り、パヴェに入った直後から落車、パンクが続出。フィリポ・ポッツァート(Lampre-Merida)、ジェライント・トーマス(Team SKY)などの有力選手が次々と脱落する中、最後まで生き残ったファビアン・カンチェラーラ(Radioshack Leopard TREK)が30km程度を残してアタック。4名の第2集団に追いつき、更にアタックを繰り返して先頭集団に合流。


残り5つのパヴェを残して先頭集団に残ったのは、ゼネック・スタイバー(Omega Pharma Quick Step)、スタイン・ヴァンデンブルック(同)とカンチェラーラ、そしてセプ・ファンマルケ(Blanco Pro Cycling)。

チームプレイでOmega Pharmaがカンチェラーラと戦うかと思われた矢先、先行する3人に付き位置でパヴェに入ったヴァンデンブルックが観客と接触して落車。

スタイバーだけでは、残りの2名を前に勝負は難しいかと思われた矢先、スタイバーも観客と接触し先頭集団から脱落。

一騎打ち状態になったカンチェラーラは、ヴェロドロームまでの最後の20kmで何度か仕掛けるが、ベルギー出身でパヴェを走り慣れているファンマルケはくらいついていき、残り3kmで再度カンチェラーラが仕掛けるも、逃げ切りは無理と悟ったカンチェラーラは「本来の作戦外の」ヴェロドロームでのスプリント勝負に持ち込む。

ヴェロドロームに入って、焦ったファンマルケがカンチェラーラの後輪に前輪を当てるハプニングがあったものの2人はそのままトラックでの一騎打ちとなった。トラックを1周半回る最後のゴールはリラックスした様子でカンチェラーラが様子を伺い、残り150mでファンマルケがスプリントを開始するもカンチェラーラはシッティングのまま踏んで行き、最後の5踏みをダンシングしてファンマルケを抑え、3度目のパリ・ルーベ優勝、そして2度目のパリ・ルーベ&フランドルのダブルウィンを達成した。

レース後にカンチェラーラはTHE BIKE JOURNALを含む少数のプレスに向けたクローズドインタビューに答えたが、笑いながら「今日のレースは本当にタフ。タフ過ぎて内容を答える気力も残っていないよ。笑 気分は、ロシアンルーレットさ。最後の最後まで何が起こるか解らない。最後の一発までロシアンルーレットに勝ち残った気分。ミッション達成。本当に嬉しい。今から、遅めのイースター休暇だ!」と語った。
 
 

report:Kenji Nanba
photo:Kenji Nanba
date:13.4.7