TREK WORLD JAPAN 2014に小笠原崇裕が潜入

京都議定書が交わされた、国立京都国際会館でここ数年はTREKの新製品が発表されているが、実は私は招待された事がない。The Bike Journal代表の難波氏は招待されているようだが、仕事が忙しいとの事で今年は来れないとの事なので、仕方なく、ナイショで潜入してみる事にした。

ディーラー・報道関係向けのショーなので一般非公開だが、夜の懇親会が宴たけなわとなった辺りの時間を見計らって、潜入してみた。


裏口入学(?)したTREK WORLDで2014モデルを内偵してきたので、他のメディアが酔っぱらって寝ている間に、どこよりも先に、ホンネでお伝えする事にしよう。

個人的な印象で興味レベルの高い商品だけを、順不同つつ興味順も少し加えて紹介して行く事にする。

2014モデルの注目はホンネも建前も無しに語ると、まず、何と言っても650BにTREKが参入した事だろう。ロードだけの人には何の事やら意味が分からないかもしれないが、26インチと29erの中間の通称27.5もしくは650Bと呼ばれるサイズのホイールを搭載したマウンテンバイクの事だ。

マウンテンバイクの開祖にして29erの開祖、ゲイリー・フィッシャーを擁するTREKが650Bに参入した。その事自体が歴史的な事件だ。

会場に落ちていた資料を熟読すると、アメリカではショートストロークのいわゆるクロカン系は29erしかマーケットがなく、ヨーロッパでは650Bが急速に伸びている。一方で140mm以上のロングストローク系では26インチが主流だったが、こちらはアメリカでも650Bがキテいる。

29erの開祖の会社という事情もあって、アメリカンマーケット最王手の座を争うGIANTが29erから650Bへの完全移行を宣言したこの2014モデルをして、TREKとしては650Bはロングストローク系で行くつもりらしい。

従来は26インチであった140mmストロークのREMEDYと日本には入っていなかったがアメリカでは人気モデルの160mmのSLASHを、両方同時に650B化した。

この2モデルには、もちろん乗れていないが、日本で初めて650Bをちゃんとインプレッションして、沢山のモデルを乗って来た私としてロングストローク系全体の話として650B化を語らせると、この流れは、高速化&走行シーンの過激化を考えた上で時代に合わせた正常進化だと思う。29erだと、どう考えてもサスペンションストロークを確保する関係からホイールベースが長くなり過ぎるし、ホイール径とストロークを合わせた事による腰高感はどう考えても今の技術では120mmぐらいが我慢させない限界だろう。でもビッグホイールのメリットを得たいと言う事で、REMEDYとSLASHが650B化した。2014の最大ニュースである。まあ、とは言え日本ではこのカテゴリーで走るフィールドが限られるので台数は・・・という感じだけど。


この話が出たので、ついでに(?)Fuel EXが29er化した話もしておきたい。今、私は長期レポート車としてSuperfly 100 Pro SLに乗っているが、これを踏まえてEXの29化を語ると、日本でも王滝含むマラソンXC系のライダーには、Fuel EX 29は良いのではなかろうか?詳しくは乗ってないので語れないけど・・。プロジェクトワンで色が塗れてコンポも選べるのは、あまり知られていないが同じくビッグニュースだ。



更に言うと、Superfly 9.9 SLとSuperfly FS 9.9 SL(フルサスペンション)もプロジェクトワンで選び放題になっている。ようやくマウンテンバイクにも所有欲を完全に満たせるようになったのはマウンテンバイカーとしては嬉しい。今までは、そういうのはチタンとかしかなかったからね。

マウンテンの話はこのくらいにしておいて、ロードの話。こっちは一番の注目は、通称スピコンことスピードコンセプトのフルモデルチェンジだろう。


一言で言って、軽くなった。什器から勝手に外して持ち上げてみたが、明らかに軽い。資料を読むと437gの軽量化とある。マドン7のフレームで言えばフレーム重量の60%に値する重量を削減したわけで、前作は一体なんだったのか?と言いたくなる軽量化だ。記憶の中では素材自体を変えずにモデルチェンジの際に軽くなった新記録を達成しているんじゃないかと思う。このくらい軽くなっていれば、アップダウンの多いコースレイアウトでも登りでの軽さを十分に感じられるだろう。

他にも語るべき事が沢山あり過ぎて、細かい所まで言い出すと朝が来てしまうので、スピコンについては後日別に紹介したいが、実車はマジでカッコイイと思った。空力性能も実用性も更に上がっているらしい。

ヨーロッパの情報でマドン4の新型が出るのは聞いていたが、パッと見、マドン7かと思った程、カラーも含めてトップモデルに見劣りしないルックスを持っている。性能はどうだろうか?気になる所だ。


ここで爆弾的な情報がある。プロジェクトワンのコーナーを見ていたら、マドン4とドマーネ4と書いてあるモデルがプロジェクトワンカラーに塗られて置いてあるではないか。30万円ぐらいのバイクでオーダースペック&オーダーカラーで作れるなんて言う事があり得るのだろうか?什器の下のスペック表を見て見たが、明らかにプロジェクトワン仕様と書いてあった。トレックUSAのサイトを見てもこの話は書いていないので良く解らないが、間違えてプロジェクトワンの4シリーズを作って展示してしまったなんて言う事があるのだろうか・・・。

あと、目新しいのはマドン7。チェーンステーの形状が変わって、BB周りが太くなっているのでパワー伝達効率が上がって、ブレーキも効くようになっていて、前後の乗り心地も最適化されていると資料に書いてあるが、13モデルが驚く程良かったので、14モデルがどうなっているのかは非常に気になる所だ。あと、カッコ悪いとネット上で不評だったチェレステ風のレオパードチームカラーが、実車を見たらビビッと格好良かった。従来はこういうアップデートをやった時は、モデル名の後ろにSSLとかつけたりしていたものだが、今回はマドン7のままだ。何故?


何気にトレックのバイクの中で一番エンジニアの情熱が詰まってるのは個人的にはカーボンダウンヒルレーサーのSession 9.9なんじゃないかと思っているが、一体このカテゴリーの、本気と書いてマジと読むレベルのダウンヒルレーサーを買うユーザーが世界に何人居るんだろうか?モデル単体で黒字化どころか開発費の回収は出来ているのだろうか?とか思ってしまうが14年も一般販売は継続されるようだ。お値段は1,102,500円と思わず目が飛び出てしまったが、個人的にはこのフルスペックで現存している事自体が奇跡なので応援したい。本当に奇跡だ。

とりあえず完成車で思い立った注目所はそのくらいだが、ここまで調べた所でトレックジャパンの社員が巡回に来たので退散となった。どーしてもスピコンに乗りたいので明日の朝に正式に取材申請をして、試乗してみたい。試乗レポートがTHE BIKE JOURNALに載らなかったら、この記事でちょっと書き過ぎてしまったので謹慎を言い渡されたと想像して欲しい。以上、TREK WORLD 2014速報でした。
 
 

report:小笠原崇裕
photo:小笠原崇裕
date:13.8.6