Cannondale 2015 OverMountain特集 Vol.4「マウンテンバイク2.0」
 
Vol.1をまだご覧でない方はこちらからご覧ください。
 
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実際のシーンで乗らなきゃ解らないでしょ。という事で、スペインの白い村として有名な観光地オヘンにレース会場を作って世界中から走り系ジャーナリストを招待してレースを開催したCannondaleにも恐れ入るが、スタートリストをみるともの凄い名前がリストに載っている。
 
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(写真右:ジェレミー・クレメンツ)
 
ENDUROワールドシリーズのシリーズチャンピオン、ジェレミー・クレメンツを筆頭にファクトリーレーシングチームのメンバーが4名、ダウンヒルのマスターズ世界チャンピオンに元ワールドカップ級のレーサー(現在はジャーナリスト)が数人という意味不明なラインナップ。一緒にスタートしてレースして良いものなのか?と思いたくなるが、ENDUROというレースはそういうものらしい。プロもアマチュアも同じ時間を共有して同じコースで楽しむという所がいかにも最近生まれのスポーツ。
 
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スタート前に雑談していると、フランス最大のMTB専門誌VTTマガジンのチーフテスターのサム・ペリディ氏が居たのでENDURO発祥の地フランスの最速ジャーナリスト(元ワールドカップDHレーサーで、フランス5傑の1人と呼ばれた)としての近年の隆盛について聞いてみた。
 
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難波ー 最近、どこに行ってもマウンテンバイクの世界はENDURO、ENDUROって言っていますが、実際問題いつからそうなったんですか?

サム・ペリディー 世界は最近ENDUROを発見したのかもしれないけど、フランスではENDUROは最近始まった事じゃないんだ。15年前からある。だから、フランスのライダーはちょっと不思議がってるっていうのが現実さ。

難波ー なるほど。

サム・ペリディー タイムを測らずに登って、下りだけのタイムを測ってレースするっていうスタイルは15年ほど前に始まって、世界的にも有名になったメガアバランチェ(1000人以上が一斉スタートする下り中心のダウンヒルレース)も広い意味ではENDURO系レースに入ると思うね。
 
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難波ー ENDUROレースにENDUROと名前を付けたのは、フランス人と聞きますが?

サム・ペリディー 僕の親友で、MTBアクセサリー会社を営んでいるフレッド・ローという人物が名前と基本的なフォーマットを決めたんだ。彼は今でもENDUROワールドシリーズの重要な部分に関わっている。

彼自身が趣味でモーターサイクルのENDUROレースに出ていたので、フランスのMTBで流行っていたこのスタイルのレースをENDUROと名前を付けてルールを決めてレースを始めたっていうのが始まりかな。丁度10年前の話。

難波ー 競技連盟とは関係ない所で始まっているんですね。

サム・ペリディー フランス人は自由が好きだからね。マウンテンバイクは自由な乗り物。

そうしてフランスだけで静かにENDUROレースが開催されて人気になって行ったんだけど、5年ほど前にフランスの周りの国、スペイン、ドイツ、スイス、イタリアなんかがENDUROの楽しさに気が付いた。

難波ー なるほど。
 
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サム・ペリディー それらの国でレースが開催されると一気に火がついたENDUROは海を渡って、イギリス、アメリカや東ヨーロッパへと3年程前から爆発的に広がって今年に至るんだ。

難波ー 日本では、今年の秋に初めてENDUROが開催されます。

サム・ペリディー アメリカや東ヨーロッパへと伝わったENDUROがアジアにも飛び火するっていうのは興味深いね。同じ感じで今ENDUROは昨年から南アメリカに渡っていきなり沸騰している。

難波ー フランスでのENDUROは今どうなっているんですか?

サム・ペリディー 皆ENDUROで話題は持ちきりさ。10年前に引退したDHレーサーやXCレーサーがENDUROでもう一回マウンテンバイクシーンに戻ってきている。ニコラだってそうだし、ショソンだってもう一回花を咲かせられるだろう。

プロレースとしてみても、単に一発の速さだけじゃなくて、レース全体を見極めて限界95%で走り続けられるベテランならではの粘り強さが求められるので、一発勝負を引退したレーサーにもチャンスがあるっていうのが面白いね。

セルフレスキューが求められるので、限界まで攻めて岩にヒットしてホイールを曲げたらそのレースはお終い。そのための機材選びやスペアパーツをどこまで背負うかなど、色々な経験がミックスされる所がENDUROをプロでもアマチュアでも面白くしていると思う。

難波ー なるほど。

サム・ペリディー ENDUROはマウンテンバイク2.0さ。フランスはマウンテンバイクをもう一回発明したんだ。
 
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スタート2時間前に渡された新型JEKYLL 27.5のサスペンションセッティングとポジションを出しながら、街の中心部の広場に作られたステージスタート台を世界チャンピオンのジェレミー・クレメンツが挨拶をしながらスタートしていくのを見送って40分ほど経つと自分のスタート時間がやってきた。

Vol.5「JEKYLL 27.5をENDUROレースで試す」に続く

Cannondale 2015 OverMountain特集
Vol.1「ENDUROが世界を変える
Vol.2「ENDUROが世界を席巻した理由
Vol.3「新型JEKYLL 27.5、TRIGGER 27.5の詳細
Vol.4「マウンテンバイク2.0
Vol.5「JEKYLL 27.5をENDUROレースで試す
Vol.6「ジキルとハイド
Vol.7「ENDUROの神髄
 
 

report:Kenji Nanba
photo:Ale di Lullo, Kenji Nanba, The Bike Journal
date:14.5.20