プロ視点でのインプレッション
バイクを進ませる上で身体から発生したパワーを一番に受けるパーツであるペダル。この小さいパーツ1つにも各々の好き嫌いが非常に大きく表れて来る。クリートの着脱感、Qファクター、踏み面の広さ、バネの強さ、この4つの要素だけで大方の方向が見えて来る。表題のXTR、今年からの使用となるペダルだ。昨年までは7年間クランクブラザーズを使用して来た、簡単にポイントを説明すると非常に泥に強く超軽量で価格が高いエッグビーターQuattro Titanは踏み面の狭さとバネ調整が出来なかった。タイムはさらに遡っての3年間使用しており、ポイントはこちらも泥に強かった。そこでXTR、様々なコンディションが現れるMTBレースでは盤石なチョイス。クリートの着脱感は好き嫌いが表れるもののバネを弱めれば極々僅かなクリック感での着脱が可能、またバネを最大限に締め込めば思い切り足を捻らなければクリートが外れない程の強さにもできてしまう。Qファクターは各社が足並みを揃えるようにほぼ同じ広さになっている、クリートを左右に動かして組み付けすればQファクターを広くも狭くも出来るのが理想であり、狭い方が良いと思い込んでいるライダーが実に多いことも。(この話はまた別の機会で)踏み面の広さは言わずもがな広い方が良い、パワーの伝達や安定感といったものは受ける側が狭かったり弱かったりすればせっかく出したパワーを逃してしまう事になる。バネ調整は無くても良さそうな機能と思われがちだが、MTBの場合、泥のレースでは乗り降りが頻繁にあり、その際の着脱のストレスを柔らかくしてくれる。このバネ調整はビンディング初心者にはすぐさまクリートを外せるように重要だし、スプリンターはくクリートが外れないように最強に締めて使用している。単純に踏むだけの小さいパーツと思われがちなペダルだが各社が様々な機能や謳い文句で売り出している、私の考えではとにかく壊れない事が重要な要素の筆頭に上げられる。軽さが売りだったり泥ハケが売りだったりするモデルでは特にMTBにおいては石にブツける事が多く、簡単に壊れてしまってはレースで完走すら危うい。この壊れないというのにはクリートの減りやすさも含んでいる、シーズン中に3度も4度もクリートを変えるのはナンセンスだ。ビンディングペダルを総称してSPD(シマノペダリングダイナミクス)と呼ばれる事が多いのはやはりシマノがビンディングペダルをリードしてきた事からだろう、メンテナンスフリーで壊れにくいという点でXTRは私の中で大きく票を伸ばしている。
 
 

小笠原崇裕