Cannondale F-Si特集 Vol.4「Lefty 2.0とは」
 
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低速ではクイックで、高速では安定する。そんなハンドリングが理想だが、現実問題29erには高速では安定しているけど低速では緩いハンドリングのバイクがミドルクラスを中心に未だに非常に多い。

一方で、クロスカントリーレースをターゲットにしたフラッグシップのハードテイルでは、低速タイトコーナーでもズバッと入っていくバイクも多々あるが、今度は高速での安定性に関しては29erのホイール径とサスペンションに任せてしまっている。

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なんでそんなことになってしまったのかというと、これは15年程前に29erという規格をゲイリー・フィッシャーが中心になって策定した時に、試行錯誤を繰り返す中、サスペンションのトレイル量(図を参照)という数値をゲイリー・フィッシャーは低速でも高速でも優れたハンドリングを求めて48mmに決めたのに(これをGenesis 2ジオメトリーという)、後から参入したブランドが標準値を29erのハンドリングは安定志向であるべきと42mmとしたのが理由。

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やや立ち目のヘッドアングルに長いトレイル量というのがワールドカップレベルのレーサーを29erで作るのなら正解と解っているのに、独自規格のサスペンションを作ることは驚くほどにコストが嵩むので各社手を出してこなかった。

キャノンデールとしても、このメリットは従来から解っていたがコスト面から手を出すことを控えていたが、今回のF-Siでのジオメトリー革新にあたって避けては通れないということで抜本的に変えてきた。曰く、「ゲイリー・フィッシャーの方向性は正しかったが、彼はステディ過ぎた」とのことだ。F-Siで提案してきた新しいジオメトリーではこのトレイル量の数値が52mmとなっている。

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同時に、我々日本人にとって嬉しいのがヘッドのクランプ部の短縮だ。S、M、Lのフレームサイズに合わせてレフティ2.0では専用クランプを採用し、Mサイズで実に40mmのショート化を実現している。要するに、もうサードパーティの無茶苦茶な角度のステムを買う必要はないと言うこと。

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これはファクトリーレーシングチームからの要望で、今までは下がりの大きなステムを使ってもライダーによっては理想的なポジションに持って行くことが出来なかったらしく、マニュエル・フミックに聞くと「F-Si以前は(ポジションを出すために)70mmにストロークを縮めた専用スペックに乗っていたけどレフティ2.0ならコースによって100mmを選べる」(XC選手がサスペンションをショートストローク化して乗ることは他ブランドでも多々ある)と語っている。

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スーパーショートチェーンステーと合わせたこれらのジオメトリー革新を実現できたのは、独自規格のレフティを採用していた為で、既製品のフォークを装備していたらジオメトリー革新を行おうと思ってもフォークがネックになって行えない。Siクランクもレフティも、実はF-Siのために採用していたのではないかと思えてくるほど理に適ったジオメトリー革新だ。

来年でレフティは15年目を迎えるが、この抜本的なアップデートはユーザーとしては大歓迎である。

Cannondale F-Si特集
Vol.1「新世代XCハードテイル、F-Siが登場
Vol.2「XCレースのためのバイク
Vol.3「オフセットドライブトレイン
Vol.4「Lefty2.0とは

report:Kenji Nanba
photo:Kenji Nanba, Cannondale
date:14.11.12