大人のウルトラツーリング「北上セヨ、オロロンライン」 Vol.1

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ウルトラロマンス。数年ほど前から辺りから、アメリカのロードバイク乗り達がシリアス寄りからツーリング寄り、しいては未舗装路も走る荒野のツーリングへと回帰するムーブメントが起きている。

数ヶ月前にアメリカ最大の総合自転車誌Bicycling(日本で言うとサイクルスポーツ的な立ち位置にある)が、ウルトラロマンスと題してオフロードを半裸でツーリングするオジさんの写真を表紙に採用した特集を読んで、「ああ、いいなぁ。こういうツーリング、久しぶりにやってみたいな」と思っていた矢先、とあるブランドの2016モデル発表会で関西を訪れた際に旧知のショップオーナー、Strada Bicyclesの井上寿さんに誘われた。

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「難波さん、今週末暇でっか?金曜日から北海道に走りに行くんですけど、一緒に宗谷岬目指しませんか?」

「宗谷岬?」もちろん行きますと即答したい所だが、何せ今日は水曜日。試乗も兼ねたイベントに来ているわけで、自転車に乗れる用意は持っているが肝心の自転車がない。

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「金曜日の夜からスケジュールは来週の火曜日の昼まで空いてますけど、自転車が無いので無理ですよ」と答えると、「どこの国に住んでると思います?日本でっせ。今晩自転車送ったら、明日の夕方には北海道まで自転車届きまっせー。ほな、お店の試乗車一台札幌に送っときますから、行きましょ行きましょ。できる大人は、突然旅に出ますねん。」と仰る。

なにやら騙されたような気分だけれども、確かにここは日本。送った荷物はスケジュール通りに届くし、片道分の航空券を買っても極端に高くならないし、例え手荷物に自転車を持ち込んでもオーバーチャージを取られない世界的に見ても「突然自転車旅」に適した国だ。「出来る大人は・・」のフレーズに惹かれて、冗談みたいなこの話に乗ることにした。

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帰りの飛行機を札幌行きに振り替えて、ロングツーリングに欠かせない備品を用立てたら、あとは仕事を終わらせて空港に行くだけ。手荷物検査を通ったら「まいど〜」。例の井上さんの声。

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こうして、オロロンラインを北上する旅が始まった。

Vol.2につづく

date:15.12.11
report:Kenji Nanba
photo:Hisashi Inoue, Kenji Nanba