大人のウルトラツーリング「北上セヨ、オロロンライン」 Vol.2

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札幌に向かう飛行機の中で井上さんと北海道の話を聞いた。

「今、昔を振り返ってみると、昔は自転車に乗るのが本当に自由だったと思うんですよ。25年ほど前の話なんですが、ツーリング全盛の頃、夏になると皆で鍋と飯盒をパニアバッグにぶら下げて北海道の北の果てを目指して、走ってはキャンプ、走ってはキャンプ。
お金はないけど体力と時間はあるのが皆取り柄でしたね。特に速さを競うでもなく、その日その日の景色と太陽を楽しんで走ってたんです。今思うと、心の底から楽しかったですね。
いつしか、あの北海道の情景を思い浮かべるようになって、またオロロンラインを走ってみようと思ったんですけど流石に一人じゃしんどいので、お誘いしたわけです。旅は道連れですね。」

オロロンラインというのは北海道の日本海側を小樽市から稚内市まで(正確には石狩市から天塩町までだが、一般にオロロンラインと言った場合、小樽から稚内までを指す)繋いでいる国道の愛称。”道連れ”にされて付いてきたものの、札幌から北を目指すという以外は何も聞いていないし、計画もしていない。ひとつだけ解っているのは、向こう4日の天気は晴れという事だけだ。

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「もう25年も経っているので、昔みたいな体力はないですし時間もないですよね。でも、昔よりも少しだけお金と経験はある。全然ないですけど、少しだけあります。なので、大人のツーリングをするにあたって、この点に注意して行程を考えたんです。」

明日からどんなルートを走るんですか?と聞くと、

「札幌を出て、日本海まで適当に走って、後はオロロンラインを北上しつつ、途中で面白そうなものがあったら寄り道してみる。ですかね?」

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随分な計画だが、四半世紀を超えるツーリング歴を持つストラーダ井上さん。何か旅のコツがあるのだろう。

「ツーリングは時速10km/hちょいが楽しいというのが持論なんです。休憩時間も入れて10km/hちょい。どこからどこへとギチギチに計画するより、ゆとりのあり過ぎる時間と距離の中で走りながら楽しそうなものを見つけて楽しんで走るのが良いんです。今回は3日走るので、初日は120km、翌日は朝日から夜まで16時間走って200km、3日目は・・・お楽しみに。笑」

ホテルに着くと、井上さんが滋賀から送ってくれたバイクが届いていた。キャノンデールのシナプスHi-Mod Disc。このチョイスにも井上さんのこだわりがあるようである。

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巡航速度で30km/hを下回るペースの場合、いかに快適かという事がまず大事で、それでいて長時間のライディングではやはり手は疲れるのでDi2にディスクブレーキという組み合わせは理想的。走りの途中で砂利道に寄り道したくなっても遠慮なく突っ込んでいけるエンデュランスロードこそがツーリングにはもってこいだという。

補修部品の手に入れやすいスペックの方がツーリングには向いているという話もあるが、井上さん曰く、そもそも自走出来なくなる程のトラブルが起きたら「時間のない大人の旅はその時点で終了。大人しく帰って、またの機会にもう一度リスタートという考えも大人のチョイスとしてはアリです。自走出来なくなったら生死に関わるようなルート選択はしないというのも後ろのタイムリミットが決まっている大人のルート選びでしょうね。」

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そんな話をしながら、バイクを組み上げて翌朝からの旅に備えて早めの床についた。

date:15.12.22
report:Kenji Nanba
photo:Hisashi Inoue, Kenji Nanba